南アフリカでは、1月から5ヶ月間にわたり続いた鉱山ストライキが6月に終結しました。このストライキ終結を受けて、南アフリカの鉱山が操業再開したことによって、プラチナ(白金)やパラジウムの供給が回復しつつあるようです。
南アフリカでは、鉱山ストライキが終結した後の7月にも、国内最大の労働組合である南ア全国金属労働者組合(NUMSA)のストライキが発生しましたが、こちらは4週間で終結しました。
南アフリカランド債券などで個人投資家にも関わりの深い南アフリカ経済について、混迷の続く現状をおさらいし、今後の見通しについて考えてみたいと思います。
南アフリカの経済成長
南アフリカは、リーマンショックの時にマイナス成長になったのを除くと、2012年までは年率4%前後よりも高いGDP成長率を遂げていました。しかし、2012年後半から成長率は2%前後に低下しています。
経済成長率の低下を引き起こした最初のきっかけは、2012年8月に発生したプラチナ鉱山での労働者によるストライキです。この鉱山ストライキに対して警察が発砲し34人の死者が出たことで、ストライキが他の産業にも波及していきました。
翌年2013年の8月には、南アフリカ最大の輸出産業でありGDPの6%を占める自動車産業までもがストライキに突入しました。2014年になっても、1月に開始された白金鉱山ストが5ヶ月も継続されて6月にようやく終結したかと思えば、7月には22万人の構成員を抱える南ア最大の労働組合が4週間のストを行い、1万2千社以上に影響が出ました。
こうした相次ぐストライキが、南アフリカの経済成長は大きな足かせとなっています。
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